なぜ視覚障害者が生成AIを活用すると良いのか
視覚障害があると、文章や画像などの情報にアクセスするには多くの時間と労力がかかります。
行政文書や契約書、学習資料などは、誰かに読んでもらったり要約してもらったりする必要がある場合も少なくありません。
しかし、生成AIを活用すれば、この情報の壁を大きく下げられます。
- 長文やPDFの要約、翻訳、図表説明ができる
- 画像から文字を抽出(OCR)し、視覚的に読み取りにくい内容も理解できる
- 音声入力や短い指示だけで、高品質な文章や資料を作成できる
- 誰かの助けを待たずに、自分のペースで情報収集・整理・発信が可能になる
こうした力は、「あきらめていた作業が自分でできる」という体験を生み、生活・学び・仕事の可能性を広げます。
オンラインスクールWith Blindでは、この可能性を多くの方に体感していただくため、段階的に学べる「生成AI講座」を開催しました。
開催概要
- 開催日
- 入門編:2025年7月12日
- 基礎編:2025年8月9日
- 実践編:2025年8月10日
- 形式:Zoomオンライン
- 参加者:延べ20名(視覚障害者を含む)
- 講師:守井清吾 氏
https://school.with-blind.com/teacher002/
開催した講座の内容と特徴
入門編(7月12日)
- 生成AIの基本(ChatGPT、Google Gemini、Claudeの特徴と違い)
- 無料版と有料版の違い(利用できるモデル・回数制限)
- 視覚障害者向けの音声操作デモンストレーション
- AIによる文章作成や要約の実例(お礼メール、生活の工夫など)
- セキュリティと責任ある利用の基本
基礎編(8月9日)
- PC版ChatGPTの操作方法とモデル選択
- 誤字脱字チェックや文章改善の実習
- 行政文書を使ってWord文書を作成し、見やすさやレイアウトを整える
- PDFの概要を理解する方法とAIによる要約練習
- Excelのレイアウト整形と修正箇所の確認
- 視覚障害者向けの便利な操作や設定を紹介
実践編(8月10日)
- 個別課題に沿った資料作成の応用
- 「視覚障害者と福祉サービス」をテーマに、企画書として使える資料を作成
- 治療院のチラシを視認性高くデザインする実習
- 参加者同士の意見交換で改善案を共有
得られた効果
- 初めてAIを使った方も、短時間で基本操作を習得
- 行政文書や企画書、チラシ作成など実務で役立つ成果物を作成
- 視覚障害に配慮した操作方法で「自分にもできる」という自信を獲得
- 他の参加者との交流で新たな活用法や注意点を学べた
参加者の声
「AIは難しそうだったけれど、使ってみると身近に感じられた。参加して良かった」(入門編参加者)
「行政文書を自分で要約できるようになりそうな予感がして、仕事の幅が広がりそうだ。早速その日に生成AIの有料版でいろいろと試してみている」(基礎編参加者)
「企画書やチラシまで作れるようになったのは大きな進歩。参加して良かった」(実践編参加者)
「同じ視覚障害の立場からの事例が特に参考になった」(全講座参加者)
今後について
With Blindでは、初心者向けの基礎から応用まで段階的に学べる生成AI講座を継続開催します。
今後は特定分野に特化した少人数制講座や、個別相談型のワークショップも予定しています。
生成AIを活用して、視覚障害があっても、生活・仕事・学びの幅をさらに広げましょう。